[創刊号] 表紙面
足の影響力
勝足は美しく強い
歪んだ足が引き起こす体の機能低下
すらりと伸びたまっすぐな足は、見ていても気持ちがいい。そのような足は、バランスも良いため、疲れにくく力強い。足そのものに歪みが少ないので、スポーツをしても、パワーがダイレクトに地面に伝わり運動効率が良いのだ。歪んだ足と歪みのない足、同じ筋パワーなら、歪んでいない足の持ち主に軍配は上がる。
スポーツはなくとも、歪んでいない足ならどんな靴でも履けるだろうし、変形や片減りが少なく長持ちするだろう。世の中の誰もが、このような足になりたいと願っているのではないだろうか。
そもそも足の歪み(ゆがみ)とはどんなものか。足といっても太もももある意味足だし、くるぶしから先もまた足だが、一般的にはくるぶしから先を足といい、くるぶしより上を脚とするようだ。
足の歪みも、基本的には足の方を指すが、足が歪めばその上の脚も歪むことから、足全体の歪みを指す場合もある。
足にはたくさんの骨があり、百本を超える靱帯と筋肉で複雑に結ばれている。これらは、歩いたり走ったり踏ん張ったりするときに非常に絶妙な連携をはかるようにデザインされており、「基本的なカタチ」が存在する。
このカタチがきちんと保たれた状態がいわゆる「理想的な」状態だ。
一方、何らかの原因でその骨の配列が崩れたり傾いたりして、理想的なカタチではなくなった状態、それが「歪んだ」状態である。
ひとくちに歪んだ状態といっても軽度のものから深刻なものまで様々だが、外反母趾やハンマートゥ、扁平足は足の歪みの代表的な例といってよい。
なかでも扁平足は「土踏まずの危機は健康の危機」と言うドクターがいるくらい非常にやっかいな歪みだ。実は私本人も、この扁平足でいろいろな悪影響を実感している。
扁平足とは、土踏まずがなくなった状態を指すが、足の裏にアーチ(イラスト)を持たせようとする筋肉や靱帯の強さが重要なポイントとなる。この筋力が衰え、靱帯が伸びた状態だと、アーチは意識しない限り落ち込み、土踏まずは地面へくっついてしまう。
こうなると、非常にたくさんの不具合が生じてくる。私の場合は、まず腰痛に見舞われた。中学2年生の春、スキーのトレーニングに明け暮れていたある朝、私の体は突如動けなくなっていた。病院に行くと、椎間板ヘルニアと診断された。
当時はなんでこうなったのかまったく意味不明だった。ところが今、その原因が扁平足にあったと思えるのだ。
歪みの連鎖
足は、下からみていくと足があって、そのうえに下腿と呼ばれる部分があり、その上に大腿がある。下腿と大腿の間には膝がある。大腿は骨盤とつながり、骨盤には上半身の重さを全部支える背骨がつながっている。
それぞれ、しっかりと靱帯で結合されており、関節によって動く方向が制限されているため、どこかの骨が捻られると、引っ張られるように接続する骨も捻られる。
扁平足になると、足は過剰な回内状態になる。このとき、下腿の骨は内側に捻られる。すると、大腿部も内側に引っ張られて捻られる。すると、大腿骨が収まっている股関節及び骨盤にも影響が及ぶ。具体的には、骨盤が前方に傾いてしまうのだ。横から見ると、出っ尻の状態。
骨盤が前傾すると、背骨の腰の部分の湾曲が正常時よりもきつくなり、椎間板が常に圧迫された状態となる。この状態で、激しい運動や重いものを持ったりして、椎間板の弾性の限界を超えたとき、椎間板の中にある寒天状の髄核が袋を破ってはみ出す。これが椎間板ヘルニアである。
それが脊柱管(脊髄が通る孔)の方に向かって起こると、脊髄を圧迫して座骨神経痛や足の機能障害を引き起こす。
最近は「プチヘルニア」などといって完全に中身が出てはいないが、外に出かけて膨らんでいる状態の患者が、若い女性を中心に増えているという。いずれにしろ、神経が圧迫されてその先の部位がしびれたり、筋力の低下が生じたり、ずーんと重い鈍痛が続く。
左右差がもたらす側弯の恐怖
よく右腰だけいつも痛むとか、右の股関節が痛むという方を見かける。こういう場合は、歪みの左右差を疑ってみる。例えば何も意識しないで直立してみよう。そのとき、足の開き具合は左右とも同じだろうか? あるいは、まっすぐ立っているつもりでも、足元を見たらどちらかの足が前に出ていたりしないだろうか。
開き具合、足のアーチの落ち具合、踵骨(踵の大きな骨)の傾斜などに左右差が生じると、その上にある骨盤、背骨、首が影響を受ける。
回内(イラスト)すると、股関節から下の長さが短くなる。また、前述のように骨盤が前傾する。すると、例えば右足だけ強い扁平足の場合、右足は少し短くなるため骨盤が右側に傾く。また、右だけ少し前傾する。つまり傾きだけでなく捻れまで生じてしまうのである。
人間は多少のアンバランスを無意識に補正するようにできているので、この傾きと捻れを背骨で修正しようと逆側に捻れ傾く。すると、肩のラインが腰とは反対に傾く。そのアンバランスを首が補うので頭はさらに反対に傾く、という仕組みだ。
積み木を連想してもらえばわかりやすいだろう。どちらかにバランスが寄れば、その上には逆側に積まないと倒れてしまうのである。
傾いた状態をキープしようとするのだから、筋肉は常に緊張した状態となる。これが、慢性の腰痛、肩こり、頭痛、を引き起こすというわけだ。
たかが扁平足、疲れやすいのが玉に瑕、程度にしか認識していなかった私も、これまでに起きた体の不調を追っていくと見事にその連鎖に当て嵌まっていることに気付き驚いた。幼少からオリンピック選手になることを夢見て頑張っていたが、この状態では闘う前から勝負がついているとさえ思える。
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